「世の中に残したい」という彼の意志は、
20年以上ヴィンテージ業界に携わっている
僕自身の想いでもある。

藤原さんが中垣と出会ったのは今から3年ほど前。
後輩から紹介されたのをキッカケに中垣と話をし、〈TOLQ〉のアイテムを目にした。
「うちの店の近くにある居酒屋に行って、3時間くらい一緒に飲んだのかな(笑)。
その時に『一点モノだけが持つ世界観やヴィンテージの価値観を残していきたいんです』と
熱い話をされて。ジーンズのレプリカブランドって古今東西ほかにもあるけど、
彼は発想そのものが違いますよね。転写の技術も極めて高いし、
純粋に面白そうだなということで一緒に取り組むことになりました」

初対面のタイミングでの酒席が縁を結び、藤原さんが長きにわたって集めてきた
博物館クラスのヴィンテージを転写する〈Archives〉ラインが生まれた。
以来、Type-1やType-2のなかでも、後ろ身頃中央に切り替えが入るスプリットバック、
通称“Tバック”のジャケットをはじめ、1942年に作られたバックルバック仕様のデニムパンツや
1930年代後半のカバーオールなど、コアなヴィンテージファン垂涎のモデルをサンプリングし、
新しいアイテムを緩やかなペースで生み出している。

「5m、いや3mほど離れたところから見たら実物のヴィンテージにしか見えないですよね(笑)。
インディゴの濃淡の出方も素晴らしいし、とにかく再現性が高い。それにパターンが緻密だから、
今の時代に着ても違和感がないというか、ファッションの気分的にもぴったりなのかな。
初めて会った時に彼が話していた『世の中に残していきたい』という意思は、
20年以上ヴィンテージ業界に携わっている僕自身の想いでもあるんです。
これからもマニア心をくすぐるようなアイテムを一緒に手がけていけたらいいですね」